ファミリーマートエグゼクティブCMO兼マーケティング本部⻑:⾜⽴さん
ファミマのSpecial 講演イベント第⼀弾!数々の企業・ブランドで辣腕を振るった、 Mr.マーケティングが学⽣に向けて語る、ワクワクするファミマ。聴講した学⽣が⼼酔したその訳とは?
目次
1.学生レポート
2.参加学生インタビュー
3.オフィス見学
ファミリーマートが2025年卒の学⽣向けにトークイベントを開催。
学⽣ライターとして、私(M・S)を含めた計3名で潜⼊取材させていただきました。
対⾯、オンライン合わせて約150名の学⽣が参加し、会場は満席でした。全4回の開催が予定されている今回のイベントですが、記念すべき第1回⽬は、エグゼクティブ‧ディレクターCMO兼マーケティング本部⻑の⾜⽴光さんです。
⾜⽴さんは過去、主に外資系の企業で活躍、様々な業界の社⻑‧マーケティング責任者‧事業本部⻑として辣腕を振るってきました。
3年前にファミリーマートにジョインしたマーケティングのプロフェッショナルが、現在の取り組みについて詳しく解説してくれました。
会場は満席。オンラインでも150名を超える学⽣が参加していました
1.講演内容
マーケティングという⾔葉に定義はない?
イベント冒頭で「マーケティングという⾔葉に明確な定義はありません」と投じた⾜⽴さん。マーケティングと聞くと、多くの⼈がモノやサービスを売るための広告‧販促活動を想像します。しかし本来、それらは4P(Product 、Place、Price、Promotion)すべてを含むマーケティング活動全体のごく⼀部に過ぎないそうです。
続けて、⾜⽴さんのマーケティングの定義として、3つのキーワード「⼈の⼼を動かす」「Do everything」「継続的に利益を出す仕組みを作る」を挙げました。
この3要素は後述されるファミリーマートのマーケティング施策にも⾊濃く反映されていました。
明確なマーケティング戦略
ファミリーマートにおけるマーケティングの基本戦略は、『もっと美味しく』『たのしいおトク』『「あなた」のうれしい』『⾷の安全‧安⼼、地球にもやさしい』『わくわく働けるお店」の5つのキーワードを⾃分達が提供する価値として訴求し、そのイメージを定着させることです。
主なターゲット層は現在の主要顧客である20代〜50代の男性に加えて、30代〜50代のママさん世代、今後必ず伸びるシニア層に設定されています。
この基本戦略のもと、実⾏している取り組みは主に3つ。「1. 基本戦略の忠実な実⾏」「2. キャンペーン内容の強化」「3.少なくても⼤きな訴求」です。
競合には真似できないユニークな施策
「1. 基本戦略の忠実な実⾏」では、プライベートブランド商品の刷新や定番商品のリニューアル、増量キャンペーンの定期実施など、5つのキーワード
―『もっと美味しく』『たのしいおトク』『「あなた」のうれしい』『⾷の安全‧安⼼、地球にもやさしい』『わくわく働けるお店」―
それぞれに対応した数多くの施策が⾏われています。これらを⻑期的に実⾏し、少しずつイメージを定着させているそうです。
「2. キャンペーン内容の強化」では、例えばファミチキなどのフライヤー商材と菓⼦とで「夏はカレーがなんだかおいしい!?」といったような、商品カテゴリーを横断したキャンペーンを実施。幅広く興味を持ってもらうための施策を⾏っています。
そして、今回のイベントで特に印象に残ったお話は「3.少なくても⼤きな訴求」でした。ファミリーマートは広告費⽤をあまり使っていないそうです。
そのため、限られた広告量で⼈の⼼に残るように⼤きく訴求するマーケティング戦略を⽴てています。
具体的には「チャレンジするほうのコンビニ!」といった挑戦的なキャッチコピーの打ち出しや、クリスマスに「⽇本で2番⽬に⼈気のチキンのお店」と⼤々的に宣伝するなどの、かなり尖った訴求をしてきました。
競合他社が国⺠的アニメや⼈気ゲームとコラボレーションする中、ファミリーマートは主要顧客である20代〜50代男性に合わせてプロレスラーや地⽅競⾺‧競輪とコラボレーション。
⼀般的にはニッチとされるコンテンツでしたが、爆発的なヒットを記録しました。
SPAMむすび:ニッチな商品だと思われたSPAMが異例の累計5,000万個の⼤ヒット
好調が続くファミリーマート
明確な基本戦略とオリジナリティ溢れる施策を続けた結果として、近年のファミリーマートの売上は好調。
従来の売上記録を塗り替える新商品を多くの商品カテゴリーで⽣み出しています。そうしてファミリーマートは⾜⽴さんが定義するマーケティングを、商品部‧営業部とともに体現し、好循環を⽣み出す仕組み作りに成功しました。
ワクワクが仕事になるのがファミマ
「ファミマは週に3〜4つのキャンペ⼀ンを⾏っており、⼿数が多く⼤変だが楽しい。トライ&エラーが出来る。」
⾜⽴さんは、活き活きとファミリーマートのマーケティングについて語っていました。
失敗から学び、改善する。
そして新たにユニークなアイデアを具現化し、顧客の⼼を掴んでヒットに繋げる。
これがファミリーマートのマーケティングでした。どんな⼿を使えば顧客を楽しませられるかを⼤⼈が⼤真⾯⽬に考え尽くした結果、2022年度に最も成功したスイーツのキャンペーンは「ファミリ〜にゃ〜ト⼤作戦!」。
思わず「ふざけてる?猫好きの⼈が思いついただけじゃない?」と⼝⾛ってしまいそうですが、ふざけていても猫好きの⼈の思いつきでも良いじゃないですか。真⾯⽬にふざけたアイデアが世間から評価される。そんな仕事にワクワクがとまりませんでした。
今まで仕事に対して「学校を卒業すれば働かざるを得ない。あたりまえの事だから仕⽅なく」程度のイメージを持っていた⾃分も、思わず「仕事なのに、楽しそう」と羨ましく感じてしまうほどでした。
「仕事なのに」……こんな枕詞を使ってしまう⾃分は、仕事に対して勝⼿な想像でこういうものだ、と決めつけていたんだなと⽬から鱗が落ちる思いでした。そしてさらに「チャレンジする⽅が絶対に楽しい」
⾜⽴さんは明⾔しています。失敗を恐れずにチャレンジし続けるファミリーマートが、追われる⽴場になる⽇は近いのかもしれません。それでも、
ファミリーマートは「チャレンジする⽅のコンビニ!」であり続ける。⾜⽴さ
んの⾔葉からは、そんな思いが伝わってきました。その思いは純粋で貪欲。⼼
から楽しんでいないと出ない⾔葉だなと深く感銘を受けました。
今回のトークイベントで端々から感じ取れた⾜⽴さんとファミリーマートの
チャレンジ精神。私も胸に刻み、来たる社会⼈⽣活にて“働く”を楽しみ尽くし
たいと思います。
2.一緒に参加したメンバーはどう感じた?インタビュー!
左:R・Wさん(法政⼤学)/インタビュアー:M・S(共⽴⼥⼦⼤学)/右:M・Uさん(明治⼤学)
他の学⽣は講演を聞いて何を思ったのでしょうか。
講演終了後、⼀緒に参加していた同学年の2⼈にインタビューしてみました!
ー 講演に参加してみてどうだった?
M・Uさん:ファミマの創意⼯夫を知れてよかった!
お客様とのコミュニケーションともいえるキャンペーンの数と種類が桁違いだからこそ、幅広い世代をファンにしているなって思った。お話の中にあった、ファミマは「クラスの⼈気者」という表現がしっくりきたな。
R・Wさん:たしかに!僕は、良い意味で遊んでいる、ふざけているところがユニークで⾯⽩いと思ったよ。挑戦し続けるコンビニとして、楽しみながらマーケティング戦略を考えているのが印象的だった!
ー 挑戦といえば、ファミマはブランドの⾊がはっきりしたよね。以前は「ファミマといえば、〇〇!」という際⽴った企業イメージがなかったけど、今回講演を聞いて、40%増量とか、キャッチーな広告が印象的に感じたな。
ー 次に、2⼈が感じた“ファミマのマーケティング”の魅⼒について教えてくれるかな
M・Uさん:広告費が少ないのに、「とがった表現」で世の中に強いインパクトを残して、話題を呼んでいるところに魅⼒を感じたな。「⽇本で2番⽬に⼈気のチキンのお店」とか「そろそろ、No.1を⼊れ替えよう。」とかね。
R・Wさん:わかる。広告費もそうだし、マーケティングの「⼈をワクワクさせる」っていう考え⽅が魅⼒的だった!お客さんだけでなく働き⼿にもフォーカスしているから、働くこと⾃体が楽しそうだなって。
ー 「マーケティングはゲーム感覚」って⾜⽴さんが話していたけど、楽しみながら戦略を成功させているのがかっこよかったよね!
ー 働くことも楽しむファミマだけど、実際にお話を聞いて、2⼈が感じたファミマならではの強みって何だった?
M・Uさん:私はファミペイ(キャッシュレス決済サービスが備わったアプリ)を愛⽤しているんだけど、改めてファミペイの良さに気づけたな。
クーポンの量が半端じゃなくて、とにかくお得。ファミマをよく利⽤するなら、インストールしないと損だと思う。
R・Wさん:それでいうと、「ちょっとおトクなコンビニ」っていうのが⼀番の強みだと思う!宇津⽊さんが⾔ってたファミペイのクーポンもそうだし、40%増量とかね。他社でなく、ファミマに⾏こうって思える⼯夫が沢⼭あったよね。
ー ファミペイ使ったことなかったから、インストールして使ってみようと思う!
ー 次が最後の質問。ファミマの「これが推し」っていう商品があれば教えて!
M・Uさん:私はメロンパン推し。リニューアルされたものがおいしくって、完全にはまっちゃった。バターの⾵味がしっかり感じられて⼤好き。
R・Wさん:僕は、オールドファッションが⼀番だな。程よい硬さとサクサク感が最⾼なので、ぜひ皆に⾷べてみてほしい!
ー2⼈は菓⼦パン系が推しなんだね。ちなみに、私のお気に⼊りはいちごミルク!果⾁たっぷりだから、⼿軽に贅沢な気持ちになれるよ(笑)
いかがでしたか?
今まで知らなかったファミマの新たな⼀⾯を発⾒できたことと思います。
私はファミマを⾒かけると、「今はどんなキャンペーンやっているのかな」なんて、ワクワクするようになりました!
進化し続けるファミマから今後も⽬が離せません!!
3.最後にオフィス⾒学をさせてもらいました!
ファミリーマートの中にファミリーマートが!休憩スペースに併設されたファミリーマートが憩いの場になっていました。ここにはトレーニング器具や本棚があり、思い思いの時間を過ごせる⼯夫が施されていました。
開放感のある受付フロアにはブランドカラーのグリーンが。案内してくださった社員の⽅⽈く、ここまで広い受付は珍しいかも、とのことでしたが⾔葉通りの広々したスペースでした。隣接したミーティングスペースには会議室を予約出来るタッチパネルがあり機能的な空間になっていました。