ファミリーマートに入社を
決めた理由を教えてください。
学生時代にフランチャイズチェーンの喫茶店でアルバイトをしていました。そのフランチャイズのスーパーバイザー(SV)が店長と話しているところを横で見て、またSVが出した意見を店長が我々アルバイトに伝え、店が変わっていく様を見て、SVに興味を持ちました。20代、30代ながらに50代の店長と対等な関係で話し、意見を戦わせて、たとえ小さな喫茶店だとしても、ビジネスをつくり上げている。その姿に憧れ、私もSVになりたいと思い、数あるフランチャイズの中でも自分自身もよく利用していたファミリーマートに入社しました。
これまでファミリーマートで
どんなことを学びましたか?
契約満了、閉店4ヶ月前の店舗を、SVとして入社4年目に担当しました。加盟者さんからすれば、「閉店前の大事な時期に新人をよこすなんて」という気持ちも少なからずあったに違いありません。前任者が所長代行だったこともあり、プレッシャーは増すばかりでした。はじめのうちは、店舗へ訪問する度に、これまでの苦労話や愚痴が話題の中心に上がり、辛い思いをする場面もありました。けれど、加盟店契約は10年単位なのです。人生の数十年をファミリーマートに預けていただいた。苦労もあれば不満もあったでしょう。SVは通常、同じ店舗には週2回訪問するところを、毎日訪問することにしました。すでに終わったことを私が解決することはできませんが、話に耳を傾けることはできます。毎日2時間ほどはその店舗にいました。結果、無事に閉店でき、不良在庫も残りませんでした。お手紙もいただき、そこには「最後の担当があなたでよかった」と書かれていました。SVは加盟者さんの人生を背負う仕事だと実感し、誠意をもって取り組めば認めていただけることを学びました。
当時は営業所に帰っては、加盟者さんから聞かされた過去の出来事を調べていました。現在のように過去の案件がPCで共有される仕組みもなく、とにかく同僚に話を聞いていたり、時には別の部署にも助力をお願いしたりと、人を巻き込むことを徹底していました。仕事はひとりでやらない。仲間を頼ることを学んだきっかけでもあります。所長になった今もこの経験から、部下が話しやすい環境づくりを心がけています。遠慮されるより、率直な意見をくれる方が嬉しいのです。