ファミリーマートが大切にしているキーワード「地域密着」社名にもある通り「Family(家族)」のようなコンビニエンスストアを目指しているからこそ、地域に寄り添い、貢献するために私たちに何ができるのか、日々考えています。
今回は数ある地域密着エピソードの中から、今やファミリーマートの人気商品のひとつにもなっている「ごちむすび 鯛めし」が誕生した裏話をご紹介しちゃいます!
6日間で60万個以上売り上げた「ごちむすび 鯛めし」は、愛媛県宇和島市が抱えていた課題の解決にもつながっていました。ある日、宇和島市から持ち込まれた相談とは? 愛媛県、高知県で営業所長を務める六車さんにお話を伺いました。
ファミリーマートにとっての地域密着とは!?
――ファミリーマートは会社全体で地域密着に力を入れていますが、六車さんが担当のエリアではどのようなことを大切にされているんですか?
六車:地域密着を成し得るには、商品と同じぐらい人とのつながりが大切と考えています。四国にいて感じるのは、来店いただくお客さまの多くがお買い物をするだけでなく、ストアスタッフに会いにいらしているということです。
なので、四国エリアの店舗では、お客さまとの間では「もう一歩踏み込んだコミュニケーション」を心がけています。入退店時の「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というお声がけは当然として、たとえばお天気の悪い日であれば「足元にお気をつけください」、通勤時間帯であれば「行ってらっしゃい」など、状況に応じたコミュニケーションをとることでお客さまとのつながりがぐっと深くなります。その結果、ファミリーマートを好きになっていただく方が増え、ファミペイの利用者、提示率も上昇しました。
商品に関しては、ホットサンドやパニーニ、ピザなどオーブンを使った「焼き上げ商材」を全国に先駆けて四国で展開していたのですが、都市圏と比べて宅配ピザの軒数が少ないという土地柄もあり、地域の方々に受け入れていただけました。オーブンから立ち上るいい香りがお客様を惹きつけることもわかり、地区MD(※1)も力を入れて、加盟店に対して「こういうホットサンドを食べてみたい」というアイデアを募っているほどですよ。
このように人とのつながり、商品をどのように展開するかを考えて提案していくことで、地域と良い関係が築けていると感じています。
※1:地域マーケティング分析に基づいた、地域特性に応じた地区別地域品揃え商品の提案等を行う商品企画職のこと
「ごちむすび 鯛めし」誕生からヒットまでの道のり
販売当時の「ごちむすび 鯛めし」※現在販売しておりません。
――「ごちむすび 鯛めし」は、地域密着を大切にする姿勢から生まれた商品とのことですが、どういう経緯があったのでしょうか。
六車:きっかけは、愛媛県の宇和島市役所から相談を受けたことです。当時、「ごちむすび 鯛めし」で使用している鯛は愛媛県の宇和島市で養殖されているものでしたが、コロナ禍で海外への輸出がストップしてしまい、廃棄せざるを得ない状況になっているので何とかできないか、という内容でした。鯛の養殖は宇和島市の主要な産業のひとつですから、エリア担当として何とか力になりたいと思いお引き受けすることにしたものの、私は当時、営業一筋でしたので商品企画にかかる知識は乏しかったんです(苦笑)。そこで、まずは商品本部に鯛を使って何かできないかを相談してみることにしたんです。そこで、愛媛県の郷土料理でもある鯛めしの案が出ました。お客さまが商品を見るだけで、愛媛県を応援しているとわかっていただけるんじゃないかなという期待も込めました。
商品化だけではなく、販路や展開方法も私一人だけでは決められないものばかりでした。そこで当時の上司や地区MD、広報部などさまざまな方に協力を仰いだところ、全社を巻き込んだ大きなプロジェクトになっていったんです。
――日頃から地域と密に関わり合っているからこそ頂いた相談だったんですね。
六車:宇和島市に貢献できたことは嬉しかったですね。宇和島市長は特に気に入ってくれて、出張の際にはお土産としてあらかじめ多めに用意するように店舗にご連絡頂いていたほどなんですよ。
大ヒットでフードロスのピンチを解決!
――相談から約1年で、いよいよ「ごちむすび 鯛めし」が店頭に並ぶことになりました。その時の気持ちを教えてください。
六車:発売日には宇和島市長も一緒に店頭に立って販売をしてくれたり、愛媛県の加盟店も「ごちむすび 鯛めし」販売に向けた販促POPや動画を作ったりしていました。いざ発売を迎えると、生産者応援にSNSでも反響があり、「ごちむすび 鯛めし」を使ったお茶漬けを紹介いただく等、まさに行政、加盟店、お客さまと一体になった活動になったと思います。結果として、四国では、「ごちむすび 鯛めし」がおむすび販売ランキングの1位を獲得し、全国でも4位にランクイン。販売6日間で予定数量の40%弱にあたる60万個分もの養殖真鯛を消化し、フードロスの面でも大きな数字を打ち立てることができました。生産者の皆さまにも喜んでいただけましたね。
ただ、私個人としては発売されてからもやることはたくさんあったので、ようやく販売にこぎつけた…という感慨にふけることができたのはだいぶ先でしたね(笑)。
――プロジェクト成功の鍵となったのは、どういうところでしたか?
六車:生産者の困りごとを解決するために自治体、加盟店、現場のスーパーバイザーなどさまざまな人たちが関わり、一つになれたからということでしょうか。「ごちむすび 鯛めし」の販売につなげるため、予約販売を行ったり、配達もSVだけでは足りなくて加盟店にも協力していただいたり、さらに加工・販売にはグループ会社も力を貸してくださったりと、想定していたよりもはるかに多くの方の関わりや、協力の上に発売することができたんです。相談を受けた私から始まったこのプロジェクトですが、、率先していろいろな方に相談をしているうちに他の部署、社外へとどんどんリレーの輪が広がり、それが大きなパワーにつながったんだと思いますよ。
また、このプロジェクトを通じて本部と加盟店との結びつきも強くなり、さまざまな施策に積極的に参加してくれる加盟店が多くなりました。2022年2月に販売されて話題を集めた「ホットケーキなスフレ・プリン」も、高知県の中村具同店のスタッフが発案したものです。このように、「ごちむすび 鯛めし」以降も地域から新しいアイデアがどんどん生まれているんですよ。
地域密着の思いと商品企画が会社に認められた!
――「ごちむすび 鯛めし」は社内で表彰もされたそうですね。
ファミリーマートでは毎年、多様性を活かした取り組みを推進する部署やプロジェクトを表彰する「ダイバーシティ・アワード」が開催されていて、「ごちむすび 鯛めし」は2021年に最優秀賞を受賞しました。エントリーは周囲からの推薦を受け、またプレゼン用の動画には商品企画から時間が経っていたにもかかわらず生産者の方々もノリノリで参加してくれて、地域の特性を活かした商品の良さだけではなく、多くの方と協力したというところも認められたんじゃないかと思っています。
私自身もこのプロジェクトをきっかけに、社内外問わず巻き込んでいけば、こんな大きなことができるんだと気が付きました。今でも少しでもわからないことがあればすぐに誰かに相談するようにしていますし、スーパーバイザーにも周囲を巻き込むことの大切さを伝えています。思わぬところからヒントを得ることができるのは、事業領域が多岐に渡るファミリーマートだからこそだと思います。
ファミリーマートの強みは、地域課題の解決に本気なところ!
ファミリーマートでは「ごちむすび 鯛めし」のように、地域や店舗が抱えている課題を解決しようと、常に本気で取り組んでいます。地域に寄り添い、必要とされる存在になることが、会社の強みだと考えているからです。
ファミリーマートは、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のもと、地域に寄り添い、お客さま一人ひとりと家族のようにつながりながら、便利の先にある、なくてはならない場所を目指してまいります。ファミリーマートの未来にご期待ください!