「株式会社ファミリーマートでデータ分析の仕事に従事する」ということは、他の会社で類似する職種に就くことや、いわゆるリサーチ専門会社で働くのとは何が違うのだろうか? そんな疑問に答えるべく、ファミリーマートの商品データのマーケティングを行う阿部大地と石黒楓が、日本最大級の企業インタビューコミュニティ『インタツアー』を通じてインタビューに来てくれた大学生に「ファミマのデータ分析の仕事」について語らせていただきました。

 目次

  1. 複雑に絡み合った膨大なデータを分析し「今」と「次」に活かしていく
  2. 売れる商品を開発するためだけでなく
    的確なプロモーションのためにも「データ分析」は必須
  3. リサーチ会社と違って「社内のチーム」だからこそ
    商品開発者に具体的なアクションを示唆できる

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複雑に絡み合った膨大なデータを分析し
「今」と「次」に活かしていく

―本日はご多忙の中、お時間をいただきありがとうございます。早速ご質問させていただきたいのですが、他社にはない「ファミマのデータ分析のお仕事」ならではの魅力とは何になるのでしょうか?

阿部:ファミリーマートにおけるデータ分析業務の魅力とは、商品開発やプロモーションから、商品をお客さまに販売させていただくまでの“すべて”に関われることだと思います。例えばメーカーであれば、自社で商品開発は行いますが、開発した商品を直接お客さまに販売することはありません。逆に多くの小売業ではお客さまに販売はできますが、商品開発は行いません。

―確かにそうですね。

阿部:しかしファミリーマートは商品開発から販売までの全プロセスを必要とする企業であり、そのプロセスには必ず「データ」が存在します。そしてそのデータもきわめて膨大です。

例えば商品の価格や重量、原材料のグラム数などの「商品データ」や、プロモーションを実施したときのアクセス数やメンション数などの「メディアデータ」、店舗で販売した際の「お客さまの声」、そして1万6300店、年間55億人分の「POSデータ」や、会員にひもづいた「ID-POSデータ」など、自社データだけでも種類と数は膨大です。これに加えて天候や気温、各地のイベントなどの外部情報も重なり、さらにそれらがリアルタイムで更新され、すべてが複雑に絡み合ったうえで最終的な販売に影響しますので……端的に申し上げると「めちゃめちゃ分析し甲斐がある!」ということになるわけです。

さらに言いますと、我々は「分析」するだけではなく、次の改善につながる示唆を出し、次に販売する商品に反映し、そして再び出た結果をデータとして検証できるのですから……とにかく飽きるということがありません。そういう意味でファミリーマートの商品データマーケティングという仕事は大いに魅力的でやりがいがあると、私としては感じています。

売れる商品を開発するためだけでなく的確なプロモーションのためにも「データ分析」は必須

―とても詳しいご説明、ありがとうございます。そのように分析されたデータはその後、どのように活用されるのでしょうか? 例えば商品企画に活かされているのか、あるいは店舗のマーケティングに活かしているのか、はたまた新規事業もしくは既存事業に活かしているのかなど、ぜひお教えください。

阿部:ケース・バイ・ケースですが、分析した結果の多くは商品開発の担当部署と共有して商品企画に活かしていくことが多いですね。販売につなげるため営業と共有したり、プロモーションを担当する部署に渡すこともあります。

といいますのも、商品というのは「分析して開発するだけ」では、お客さまに伝わらないものです。いいモノを作るのは大前提ですが、そのうえで「どんなメディアでどんなプロモーションを打つことで商品の魅力を伝え、最終的にはそれをどうやってご購入いただくか?」という、川上から川下までの一貫した流れを考えることが重要なんです。そんな流れを構築するため、我々が分析したデータは「全社的に活用されている」というのが、ご質問に対する答えとしては正確かもしれません。

―率直なご意見、ありがとうございます。一方で石黒さんは、どんな仲間と一緒に働きたいですか?

リサーチ会社と違って「社内のチーム」だからこそ商品開発者に具体的なアクションを示唆できる

―実際のデータ活用事例を何か一つ、教えていただけますでしょうか?

阿部:例えば2024年2月に行ったネコをモチーフとしたオリジナル商品を発売した「ファミリ~にゃ~ト大作戦!」というキャンペーン施策は、昨今、猫の飼育頭数が増えているというデータや、猫や猫関連商品に対する人々の情緒的な指数が高まっているという分析に基づいて行ったものです。おかげさまで大好評だったのですが、さまざまな情報からお客さまの感情や行動を読み取り、それを実際のマーケティングに活かすことができた好例の一つではないかと思います。

―そういえば私も今年2月、ファミマで「黒蜜きにゃこにゃて」を買って飲みました! ばっちり貴社のマーケティングに乗ったわけですが(笑)、リサーチにおいては外部のリサーチ会社も活用されているとお聞きしました。外部のリサー会社と、ファミリーマートの商品データのマーケティングに関する業務の違いについて教えてください。

石黒:「きわめて具体的なアクションを示唆出しできる」というのが、社内データチームの良いところだと思っています。一般的にリサーチ会社からの示唆出しは抽象度が高いため、具体的なアクションには落ちづらいという側面があります。しかし社内のデータマーケティングに関わるチームは商品開発者との距離が近く、詳細な最新情報を得る機会もたくさんあるため、抽象的なものではなく「具体的なアクション」に落ちやすい内容までコメントできるのです。

しかしその一方で消費者に配信するアンケートの聞き方などに関しては、リサーチ会社の方が圧倒的に“プロ”です。そのため、そういった部分ではいつもリサーチ会社の方には本当に助けられています。調査票の作り方などはリサーチ会社さんに任せ、検証したいことや、欲しいアウトプットについてはこちらがしっかり明確化するという役割分担を、いつも心掛けています。

―普通のデータ分析職というと、データと睨めっこするイメージを持ちますが、それだけでなく、店舗職の経験をもとに、どのような消費者の行動からこのデータが出ているのかを考えながら示唆を出せるということがおもしろく、その示唆が販売数や売上額などの“結果”に現れるものでもあるため、やりがいは大いにあるのではないかと感じました。
本日は詳細なご説明、誠にありがとうございました!


学生さんたちとの詳細なやり取り、いかがでしたでしょうか? 今回はファミマならではのデータ分析の魅力について、お話させていただきました。これを機に、全国のファミリーマート店舗に加えて「株式会社ファミリーマート」にもご興味を持っていただけたらうれしいです。

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編集:ファミリーマート採用チーム